写真家の宮嶋康彦さんと、
海陽町の久尾という村に行ってきました。
久尾は、宍喰の山の中にある28人の小さな村。
そこより奥には民家はありません。
目的は、そこで寒茶づくりをしているおばあちゃんたちの取材です。
あいにくの雨の中、20人の生産農家のおばあちゃんたちが集まってくれました。
宮嶋さんが、ひとりのおばあちゃんに尋ねました。
「寒茶づくり、楽しいですか?」
92歳になる、そのおばあちゃんが言いました。
「お金が稼げるから楽しい。月3万円の年金暮らしだから。」
頭から冷水をかけられた気がしました。
寒茶を今より高く売るプロジェクト。
このプロジェクトには、
地域の伝統を絶やさないように、
後継者が生活の糧とできるように、
そういう想いで、参加していました。
でも、本当に考えなきゃいけないのは、
今、寒茶を生活の糧にという想いで、
頑張っている、このおばあちゃんたちのことなんだと。
なんとかしたいと思いました。
なんとかしなきゃと思いました。
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