2009年9月10日

月の舟


 前回に続き、三日月の話。


 遠い昔に読んだ本の一節。


 薄れかけた記憶をたぐり寄せてみました。


  「 三日月は、夢を山盛りに積んで運ぶ黄金の舟。


   毎晩、夜空の海を渡っていきます。


   でも、ときどき星の島が邪魔をして、


   そのたびに舟は少し揺らぎます。


   すると、舟に積んだいっぱいの夢が、


   少しだけ地上にこぼれ落ちます。


   こぼれ落ちた夢は、夜空に散らばって、


   あっちの町、こっちの村に落ちていきます。


   そして、寝ている私たちの眠りの中にも落ちてきて、


   みんなが夢をみるんだよ。」



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